「滅びゆく日本の方言」佐藤亮一著
方言は奈良や京都という政治、文化の中心地から水の波紋のように周辺の地方へ広がった。速さは年速約1キロで、京都で生まれた言葉が青森に到達するのには1000年以上かかる。関東では「アホ」と言われると「バカ」と言われるより腹が立ち、関西ではその逆である。朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」でこのバカ・アホについて調べたら、近畿のアホの周辺にバカが分布していた。バカのほうが古い言葉だったのだ。また、「酒」の方言は少ないが、「酔っぱらい」の方言は「ヨッキリボ」(福島)など200近くある。方言はマイナスイメージの語に多いという。
方言の謎解きの楽しさを感じさせる一冊。
(新日本出版社 1500円+税)