「病があるから素敵な人生」けん三(下田憲)著

公開日: 更新日:

 北海道の富良野駅から汽車でおよそ50分。映画鉄道員(ぽっぽや)」の撮影地として知られる過疎の町・南富良野町幾寅に、著者が開業した「けん三のことば館クリニック」がある。ユニークな病院名の通り、院内のいたるところに言葉の額が掲げられている。

 そこに記されているのは、すべて患者から受け取った“心の声”だという。本書には、「やっぱり独りで生きてはいない そばに居るあなたの笑顔に支えられてる」「老いてなお わたしが子らにできること元気で長生きすることだなあ」など、患者の心に寄り添う89詩が収められている。

 著者が目指すのは、“安上がりの医療”。毎日40人ほどの患者に、無償のはり治療も行っている。病を治し、傷を癒やす力について考えさせられる。

(幻冬舎 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる