男が極める食の道編
「料理ができる男は無敵である」福本陽子著
「男子厨房に入らず」といわれたのは、もはや昔の話。提供されたものをただ口に運ぶような燃料補給と化した無味乾燥な食事は、確実に男をダメにする。ならば生きている限り行う「食」の喜びを、もっと能動的に味わい尽くそう。そこで今回は「男が極める食の道」をテーマに4冊ご紹介。
速水もこみちがTVのワンコーナー「MOCO’S)キッチン」で手料理を披露し始めたあたりから、料理ができる男のモテ度が高くなってきた。定年を迎えた団塊世代やイクメンを自称する育児パパ、右肩下がりの経済状況に手弁当で自衛する弁当男子など、昨今では多くの男が台所へ参入する状況になっている。
こうした男たちに料理の効能を説きつつ、実践へと導くのが、福本陽子著「料理ができる男は無敵である」(サンマーク出版 1400円+税)だ。
男性料理教室「メンズキッチン」で20~70代の生徒を指導する著者によれば、男性が料理をすることによって磨かれるスキルは4つある。それは、どんな素材を使っていつまでに何を何人分作るのかという「目標設定力」、相手が食べたいものを察して用意する「感受性」、同じメニューでも微妙に味が変わる料理のちょうどよいあんばいを探る「柔軟性」、好奇心全開にして新しいレシピやうまい味に挑戦する「ポジティブ力」だ。