「東京者がたり」西村賢太著

公開日: 更新日:

 著者が16歳で家を出て最初に住んだのは、日暮里のラブホテル街の中にある家賃8000円の3畳間だった。クーラーも扇風機もないうえに、窓を開けるとラブホテルの十数機のエアコン室外機が熱風を送り込んでくる。

 1日でいいから涼しいビジネスホテルの部屋でゆっくり寝てみたいと思っていた。

 2年後、2日続けて日雇いに行って懐が温かかった著者は酔った勢いでそのビジネスホテルに泊まった。たかだか4階か5階の〈超高層階〉から熱帯夜の住宅地を見下ろした著者は、寝るのが惜しくて翌朝、日雇いの仕事に遅れた。(「日暮里」)

 著者がゆかりの街を通してこれまでの人生の軌跡を語る随筆集。

(講談社 1600円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 4

    柴咲コウの創業会社が6期連続赤字「倒産の危機」から大復活…2期連続で黒字化していた!

  5. 5

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  1. 6

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 7

    世耕弘成氏「参考人招致」まさかの全会一致で可決…参院のドンから転落した“嫌われ者”の末路

  3. 8

    「羽生結弦は僕のアイドル」…フィギュア鍵山優真の難敵・カザフの新星の意外な素顔

  4. 9

    「フジテレビ問題」第三者委員会の報告会見場に“質問できない席”があった!

  5. 10

    「Nスタ」卒業のホラン千秋にグラビア業界が熱視線…脱いだらスゴい?