「恋愛しない若者たち」牛窪恵氏

公開日: 更新日:

 恋愛は何物にも代えがたい娯楽と快楽であり、生きる原動力――。しかし、時代は変わった。今の若者は恋愛しないのだ。

「私自身は恋愛のプライオリティーが一番高かったバブル世代です。なぜ今の若者が恋愛しないのか、約10年の考察をまとめてみましたが、書いているうちに説教がましくなってきちゃって(笑い)。この本は若者自身よりも、その親世代の方に読んでいただけたら、という思いも込めています」

 確かに、年頃の息子や娘が恋愛する気配すらないと、ひそかに心配する親も多い。2006年から若者研究を手掛けてきた著者は、その理由と背景をこう言う。

「今の20代は『頑張った先にいいことがある』と思えていません。右肩上がりのいい時代を知らないから、無理も冒険もしない。今の幸せを守るのに必死です。恋愛も同様で、ストーカーやDVなどのリスクを負うくらいなら、別にしなくてもいい。恋愛に代わる楽しいものがいくらでもあり、リアルな恋愛はコストパフォーマンスが悪い、というわけです」

 不況続きが要因ならば、社会のせいにもできるが、実は親の影響も大きい。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭