「今だから小沢一郎と政治の話をしよう」堀茂樹氏

公開日: 更新日:

 外国生活が長い仏文学研究者が、本人いわく「遅まきながら」日本の政治の現実に目を向けたとき、「こんな国を次の世代にバトンタッチしていいのか」と疑問を持った。そのきっかけのひとつが、政権交代を目前にした民主党代表の小沢一郎氏が政治資金規正法違反に問われた「陸山会事件」だったという。

「なぜあそこまでアンフェアなのか」「なぜあそこまで叩かれるのか」

 本書は、小沢氏に興味を抱いた著者との2013年から15年まで複数回の連続対談集である。

「メディアは小沢さんについて『理念や政策より政局の人』という言い方をします。しかし、真逆ですね。青年のような書生論、つまり政治の根本を主張し続けるピュアな理想主義者であり、同時に、ドライな現実主義者でもある。理想をあくまでも追求するからこそ、混濁した現実を直視して、道を切り開くために、ズバリ妥協できる。理想に向かって、一歩一歩進むしかないから、譲歩し、妥協する。これこそ、まさに民主主義なんです」

 ちょうどいま、小沢氏は野党共闘を呼び掛け、再びの政権交代に向け動いている。だが、この書籍ではあえて「政治とは何か」といった、根源的なテーマを小沢氏にぶつけている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ