「会計士は見た!」前川修満著
今夏、東芝の不正会計が発覚した。これは〈工事進行基準〉の不適切な計算により利益を過大に計上したケースである。例えば、4年かかる大きな事業を100億円で請け負った場合、3年目までは収益ゼロで4年目に100億円の収益が計上されることになり、毎期の業績が正確に表示されない。そこで、1年目に25%が完成したら25億円を利益に計上する。残りの経費を45億円と見積もっても実際はそれを上回ることがある。一般的には新たな見積もりを行うが、これを隠蔽することで実態よりも過大な収益が計上されることになるのだ。
他に、大塚家具など、注目を集めた企業の決算書を公認会計士が読み解く。(文藝春秋 1200円+税)