白人ではなく中国人が見る日本が重要

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 だからこそ、本書の基本的なメッセージとしては、かの国を過度に恐れる必要もないし、日本には誇るべきものもあるし、彼らだって不安な気持ちを抱いている、というところにある。

 そして、中国人全員が反日思想を持っているわけでもないといったところも同時に理解できる。“中国人旅行者が感激した「日本人のここが凄い!」ベスト8”という原稿(中島恵氏)では、「電車の中で話す人があまりいない」「子供が荷物を持って歩いている」など中国人観光客が驚いた点について言及している。

 こうした企画をやる場合、テレビであれば「明らかに外国人である」という見栄えを考慮し、とかく白人が登場して「外国人はカプセルホテルが好き」「外国人は渋谷のセンター街が好き」といった展開になる。

 だが、日本にもっとも多く来ている外国人は中国人である。白人のバックパッカーの楽しみ方を知るのも重要ではあり、「クールな日本」としての自尊心は満たされるかもしれないが、経済的なことを考えたら、中国人こそ理解する必要があるのではないか。本書はそのための示唆を与えてくれる。

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