「本日は遺言日和」黒野伸一著
プランニング会社の新入社員・美月が苦し紛れに企画した「遺言ツアー」を、なぜか社長が採用。先輩の梶原の力を借り、温泉宿に宿泊し、司法書士の竹上による遺言の書き方講座と、心理カウンセラーの溝口による個別相談がセットになった2泊3日のツアーを組む。
しかし、当日になって溝口が事故で欠席。梶原は他の現場に呼び出され、竹上も講義を終えるとさっさと帰京。残された美月は、娘に付き添われ参加した幸助や、まだ19歳の太陽、そして終始酔っぱらっている篤弘ら、いずれも何やら訳がありそうな参加者たちに振り回される。
遺言を書くという行為を通して、各人の人生を描き出すハートフル・ストーリー。
(実業之日本社 593円+税)