「寝ころび読書の旅に出た」椎名誠著
読書好きが高じ40年前に「本の雑誌」を創刊、長く編集にも携わってきた氏による本をめぐるエッセー集。
後に「ひっきりなしに旅するようになった」きっかけとなったのは小学生のときに読んだ「さまよえる湖」(スウェン・ヘディン著)。そこに行きたいという無邪気な夢を三十数年後に実現してから、本で知った先人の壮大な探検や旅の足跡を追っていくというスタイルの旅が多くなったと、その後の本と旅の関係を振り返る。
その他、世界でもっともつらい仕事ばかりを集めた本や、子供の頃からの疑問に答えてくれた「小さな塵の大きな不思議」(ハナ・ホームズ著)などの目からウロコ本まで。読書と人生のかかわりをつづる。
(筑摩書房 800円+税)