「螺旋宮」安東能明著
高代と妻の年恵は、政府系財団とゼネコンが建設したマンションを破格の代金で購入。購入の条件として、夫婦は敷地の地下深くに設けられた施設で1カ月間過ごす。将来、地下に医療施設を造るための実験らしい。不妊に悩んでいた年恵が、以前の体験者がその後、子宝に恵まれたと聞き自ら進んで応募したのだ。
1カ月後、地下から出てマンションで暮らし始めた年恵が懐妊。一方の高代は、地下室で見たビデオに映っていた島岡がマンションで飛び降り自殺したことを知る。ビデオでは地下生活を経験した島岡ら3夫婦が赤ん坊を抱いてその喜びを語っていた。しかし、高代は3家族の子ども全員がその後、突然死したことを知る。
戦慄のノンストップ・サスペンス。(徳間書店 710円+税)