「アレルギー医療革命」NHKスペシャル取材班著
アレルギー疾患の治療といえば、鼻水やかゆみなどの症状を抑える対症療法がすべてで、アレルギーの原因物質は極力体内に入れない方がよいというのが常識だった。しかし今、あえて原因物質を体内に取り込むことで、アレルギーを“完治”させる新治療に注目が集まっている。
例えば、子供の食物アレルギー予防には、母親が妊娠中や授乳中からアレルギー食品を避けるよう医師が指導してきた。ところが最近の研究で、アレルギー食品を避けた母親から生まれた子供の方が、アレルギー疾患が多いことが分かってきたという。
そのカギを握るのは摂取した食べ物ごとに体内で作られる「Tレグ」という免疫物質。各種の最新データや事例をもとに、アレルギー治療の最先端を明らかにする。(文藝春秋 1300円+税)