「福澤諭吉 学問のすゝめ」川北義則著
福澤の言葉で一番有名なのは〈「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」といへり〉だが、著者は最後に「といへり」があることに注目。つまり福澤は「と言われている」といっていて、「人間はみな平等だ」といっているわけではない。
福澤は人間の平等を「機会の平等」と捉えていて、成功するかどうかは「機会の平等」を生かしたかどうかによる。誰にでもチャンスはあるという意味なのだ。
また、〈法律は簡潔であるほうが優れている〉とも。役人は自分たちに都合のいい法律を作るには「分かりにくくすればいい」と気づいていることを福澤は見抜いていた。目からうろこの「学問のすゝめ」の読み方。(KKロングセラーズ 1300円+税)