「核に魅入られた国家」会川晴之著
1985年、〈パキスタンの原爆の父〉カーン博士が京都大学の航空工学教室を訪れ、ウラン濃縮の資料が欲しいと申し入れたが、「日本は平和国家だから」と拒絶された。
日本では原爆用の90%以上の高濃縮ウランではなく、原発用の3%濃縮ウランを製造している。核技術の軍事利用に歯止めをかけるために、ウラン濃縮などの技術情報は特許公報で公開されているのだが、それが海外に流出しているという。
他に、隣国インドに対抗するために核兵器開発を進めるパキスタン、パキスタンと「核とミサイルの交換」をしたといわれる北朝鮮、中東の覇権国を狙うイランなどの現状を毎日新聞編集委員がリポート。(毎日新聞出版 1650円+税)