「緑衣のメトセラ」福田和代著
フリーライターのアキは、幼馴染みの千足から、近所の高級老人ホーム「メゾンメトセラ」の入居者はがんの発生率が高いという噂を聞き、興味を抱く。ホームは隣接する不破病院が経営。院長の不破は、アンチエイジングの研究をしているらしい。内情を取材しようとしているアキの役に立とうと、千足が病院の調理場でアルバイトを始める。数週間後、千足が急死。死因は、マールブルグ出血熱の感染だった。地下の保管所に立ち入り、感染性廃棄物に接触してしまったらしい。千足の死に責任を感じるアキは、ボランティアとして病院に潜入。やがてアキは地下で緑色の実験動物が飼育されていることを知る。
注目の気鋭によるサイエンスミステリー。(集英社 1700円+税)