「青い記憶」田村優之著
悪性脳腫瘍と診断された北川は、兵庫の中高一貫校の寮で暮らす15歳の息子・希一に長い手紙を書く。妻の死以来、ぎくしゃくとした関係が続く息子に自分が何を考えて生きてきたか、そして若き日に犯してしまった罪も隠さず書くつもりだ。
画家を志していた北川は、芸大受験に2度失敗するが、夢があきらめられず、フランスに留学。美術試験予備校に通いながら、美術学校を目指す中、モンマルトルのテルトレ広場で土産物を売っていたオルガと知り合い、やがて2人は愛し合う。2つ年上の彼女は名門大学に通う大学生だった。ある日、北川の隣室に住むガレを紹介されたオルガの表情が変わる。
現役新聞記者がつづる感動の物語。(ポプラ社 640円+税)