「野球酒場」前田恵著

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 現役を終えた後、飲食業を始めるプロ野球選手は多い。全国遠征で飲み食いの豊富な経験を持つ彼らが開いた店はどんな店なのか、そして昔は語れなかったことも今なら語ってくれるのではないか。そんな期待を抱いた記者が13人の名プレーヤーの店を訪ねた。

 たとえば広島・十日市には、パンチョと呼ばれた木下富雄が開く「カープ鳥きのした」がある。おなじみのヒゲ姿でほぼ毎日店に出る木下は、「ヒゲの木下」は合いガモ、「長内」はねぎま、「コージ」はつくねといった具合に、焼き鳥にカープの選手の名前をつけている。ほかにも、若い頃から酒の強さには定評のあった角盈男が恵比寿に開いた昭和歌謡曲バー「m-129」、和製ヘラクレスの異名を取った栗橋茂が大阪・藤井寺球場跡地のそばに開くスナック「しゃむすん」なども紹介。

 現役時代の苦労談はもちろん、第二の人生に飲食業を選んだきっかけや葛藤なども語られる。本書片手に、名選手の酒場に足を運びたくなりそうだ。(ベースボール・マガジン社1600円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

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