「お茶をどうぞ」向田邦子著
没後35年を迎えた作家の生前の対談を発掘して編んだ対談集。
親友でもある黒柳徹子氏が進行役を務める番組では、当時ベストセラーになっていた「父の詫び状」が話題に。乳がんの手術を体験し、遺言のつもりで書いたというその真意を問われ、字が下手で遺言を書いても読めないと言われるので、活字にしておけば間違いがないかなと思って、と答える。
さらにがんを宣告され、入院するまでの2日間でテレビの台本1回半分を書き上げるかたわら、届いた大型冷蔵庫と格闘していたなどと語る。ほかに、育ての親のひとりという森繁久弥氏や、最初は配役に大反対したという「寺内貫太郎一家」の主演・小林亜星氏ら、豪華ゲスト16人と語り合う。(河出書房新社 1600円+税)