「ライオンはとてつもなく不味い」山形豪著
アフリカに暮らす野生動物や自然、人々をカメラに収める写真家によるフォトエッセー。
日本の80倍という広大なアフリカの南端部、南アフリカ、ナミビア、ボツワナが著者の主な活動の場。レンタカーにすべてを詰め込み、一人でテント暮らしをしながら撮影を行っているという。カラハリ砂漠で飢えたチーターの親子に遭遇。3日間張り付き、狩りが成功するシーンを撮影したエピソードなどを紹介しながら、生と死が循環している野生動物たちの世界をつづる。時には「猛獣」のカバに襲われたり、荒野で車が横転するほどの交通事故に遭ったりと、失敗談を交えながら、アフリカでの体験とその魅力を語る。ちなみに書名のライオンの肉の味も実体験だそうだ。(集英社 1300円+税)