「睡眠の教科書」ロバート・ローゼンバーグ著 上野元美訳

公開日: 更新日:

 近年では睡眠の効果が詳細に研究され、睡眠の質を高めると心臓血管疾患のリスクが減ることや、睡眠不足が続くとアルツハイマー病に関わるアミロイドβタンパク質が浄化されにくくなることなどが明らかになっているという。本書では、30年以上のキャリアを持つ睡眠専門医が、睡眠の効能やさまざまな睡眠障害の治療法、そして、良質な睡眠をとるためのヒントを伝授している。

 日本人は5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているといわれるが、眠れない理由を明らかにすれば治療の道も開ける。例えば、ドーパミンの低下が引き金となる「むずむず脚症候群」では、夜になると脚にしびれるような不快な症状が起こって睡眠が妨げられる。この場合は、ドーパミンの産生に関わる鉄分補充治療や、リンパ液と血液の循環を助ける圧迫療法などで改善が期待できるという。

 パソコンやスマホのブルーライトの影響で睡眠サイクルに異常を来す、「概日リズム睡眠障害」も増加傾向にある。この場合は、就寝2時間前には通信機器の電源を切り、睡眠を促すメラトニンの分泌を促すため、寝室に赤色の終夜灯を使うことなどが有効な対策だという。

 良質の睡眠こそが健康長寿の基本だ。(シャスタインターナショナル 1500円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  2. 2

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 3

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 4

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  5. 5

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  3. 8

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  4. 9

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  5. 10

    悠仁さま「渋渋→東大」プランはなぜ消えた? 中学受験前に起きた小室圭さん問題の影響も