「本当は怖いドライアイ」平松類著
日本人の6人に1人がかかっているといわれているドライアイ。パソコンやスマホなどで目を酷使することが原因のひとつだが、“ただ目が乾くだけ”と放っておくのは大間違いだと眼科医の著者は言う。
涙の分泌量や質が低下すると、目が乾く上に、ゴロゴロしたり痛みを感じるようになる。涙による防御能力が低下し、異物によって絶えず目に小さな傷ができてしまうためだ。さらに、ものが見にくくなり、眼精疲労が起こることでストレスがかかり、頭痛や肩こり、イライラが続くことで、うつ症状まで表れかねないというから恐ろしい。
市販の目薬をさすと一時的な潤いは補給できても、根本的な改善にはつながりにくい。本書がお勧めするのは、自分でできるドライアイ改善トレーニングだ。まぶたの血流をよくする「ホットアイ」を行うと、涙の分泌が改善されてドライアイ症状も軽くなりやすい。方法は、水で濡らしたタオルを600ワットの電子レンジで40秒温め、まぶたの上に5分間のせるだけ。朝晩2回行うのがベストだ。
この後にやると効果的なのが「まぶたマッサージ」。目を閉じてまぶたに人さし指をあて、眼球を押さない程度の力で上下左右になでる。最後に、目に油分を分泌する役割を担うマイボーム腺を刺激するため、下のまぶたの縁を軽くつまんで終了だ。
ヨーグルトや青魚など、よい涙をつくる食べ物も紹介。クリアな視界で毎日を過ごしたいものだ。
(時事通信社 1400円+税)