「くじら島のナミ」浜口倫太郎著
まるで島のような大きさを誇るクジラのジマは、大嵐の日、救命ボートを発見。唯一、生き残った女性から赤ちゃん「ナミ」を託され、背中で育てることになる。ジマは人間のおっぱいと同じ栄養を含む潮を吹いてナミに与え、またカモメのモメタや若い漁師トシッチの手を借りながら、ナミを育てていく。
やがてナミが5歳になったとき、ジマはマジックオーシャンを目指すことを決意。仲間のクジラを伴い5年ぶりに北へ向かったジマだが、その過酷な旅を経て己の寿命を悟ることに……。
20万部を突破した「22年目の告白」の著者によるファンタジー小説。クジラと少女という不思議な親子関係の、互いを思う気持ちを描く。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1400円+税)