「猫がいなけりゃ息もできない」村山由佳著
著者の5匹の飼い猫のうちの1匹が三毛猫の「もみじ」。もみじは旦那さん1号のもとから著者が出奔するときに連れて出て以来、旦那さん2号と暮らしていたときも、現在の「背の君」と暮らすようになってもずっと一緒にいた。
著者はこれで終わってもしかたがないと思い定めなければ、相手に負の感情をぶつけられなかったが、たまたま背の君に怒りまくったことがある。激情の嵐が去ってお互いに歩み寄り、仲直りしたあと、もみじは〈もう済んだんか? ごくろはんなこっちゃな〉とでも言いたげに2人の間に割り込んできた。
そんなもみじにがんができ、余命3カ月であることが判明した。愛猫との最後の1年をつづったエッセー。 (ホーム社 1400円+税)