「月夜彦」堀川アサコ著

公開日: 更新日:

 都で、天子の妃をはじめ、高貴な佳人が殺される事件が相次ぐ。その亡きがらには大きな食い痕があった。市中には犯人の首を狙う、にわか賞金稼ぎがあふれる。

 ある夜、散楽舞の小槌丸は酒場で賞金稼ぎに命を狙われるが、間一髪、現れた公卿に助けられる。公卿によると、100年前にも蜩公という殿上人が天子の御子を懐妊した女御に横恋慕して殺してしまった事件があったという。実は目の前の公卿こそ、狼神の使いとなった蜩公の化生だった。狼神への生け贄にされそうになった小槌丸だが、その胸に秘めたたくらみを果たすまで死ぬわけにはいかない。そう願った瞬間、「聞きとどけたり」という不気味な声が耳の奥に響く。

 禍神が跋扈する王朝を舞台に描く長編ダークファンタジー。

 (講談社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情