「大阪的」井上章一著
世にはびこる紋切り型の大阪像に異を唱え、そのイメージが流布した経緯を明らかにする大阪論。
大阪のおばちゃんと聞けば、たいていの人が人懐っこく、冗談を絶やさない、陽気な女性たち、悪く言えばなれなれしく、けたたましい人たちを思い浮かべる。当然のごとく、大阪のおばちゃんといえどもそんな人たちばかりではない。関東大震災で関西に移住した谷崎潤一郎は、大阪女性について「抑制のきいた静かな物言いを好む」と、現在と正反対の女性像を記している。そして、現代の大阪のおばちゃん像を定着させたのは1980年代のある番組にあると読み解く。
その他、熱狂的な阪神ファンや、どケチでがめついなど、ステレオタイプ化された大阪像を次々と論破。
(幻冬舎 800円+税)
大阪的