「天命」岩井三四二著

公開日: 更新日:

 安芸国の毛利家の次男、元就は、分家して猿掛城主、多治比元就となった。父・弘元の側室で、幼いころ、両親を失った元就を母親代わりに育ててくれた大方さまの尽力で、嫁取りの話もまとまった。だが、元就としてはそれどころではない。弱小国の領主として苦しんだ父は39歳で、兄は24歳で酒に溺れて死んだ。兄の子はまだ3歳で、21歳の元就が後見人として毛利家を動かしていかねばならない。そんな中、武田勢が攻めてくるとの報が入る。重圧にあえぐ元就に大方さまは「雪隠へ行きなされ」と言った。父は雪隠で、我は大江広元の子孫、我は大将と叫んで、平然とした顔で出てきて出陣したと。

 極悪非道と恐れられた戦国武将を描く歴史小説。

(光文社 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出