「歌舞伎町ゲノム」誉田哲也著
法では裁けない極悪非道の者たちを始末する伝説の殺し屋集団〈歌舞伎町セブン〉シリーズの最新作。セブンは暴力団組長、歌舞伎町の老舗居酒屋の店長、ゴールデン街のバーのマスター、元警察官に現役の警察官というバラエティー豊かな人物の集まりだ。
前回の事件で仲間の上岡を失ってから2週間。セブンの暗殺実行部隊のジロウは、たまたまヤクザに絡まれている青年を助ける。聞くと彼の婚約者が大学ラグビー部のOBに集団レイプされ、それを悲観して自殺したという。警察に訴えるもなぜか動かない。
これはセブンの仕事と思ったジロウだが、7人揃わなければ動けないのが原則。そこで死体処理のプロ「掃除屋のシンちゃん」を新メンバーに引き込み、セブンが動き出す――。
始動したセブンは、外国人専門に暴行を加える半グレ集団、変態のエリートサラリーマンといった依頼されたターゲットを次々と始末していく。現代の「必殺仕事人」が存分に暴れ回るが、謎の犯罪組織、新世界秩序(NWO)との対決も暗示され、次回作も楽しみ。
(中央公論新社 1600円+税)