「1971年の悪霊」堀井憲一郎著

公開日: 更新日:

 著者は、2009年夏の政権交代は「理想好きの人たち」と悪代官がやっつけられるのを見てみたいという単純な「破壊衝動を持っている人たち」、そして、それに巻き込まれた多くの人によって実現したと指摘。その状況に、1970年ごろに挫折していった学生運動の理念が再び世を覆っているのではないかと思えたという。

 民主党政権の「困った感じ」は、「理想に満ちているが運営力が劣る学生運動気分」ととてもよく似ていて、70年の思念による不思議な国家運営に見えたとも。

 70年前後のフォークブームや大ヒット映画「小さな恋のメロディ」、そして当時の若者の愛読書だった高橋和巳作品などを取り上げ、その思念の源流を探る論考。

(KADOKAWA 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出