「道草料理術」大海勝子著
忙しい現代人は、往々にして「気が付けば季節が変わっていた」ということが多い。季節の移ろいや濃密な野菜の香りを楽しむには、身近な道草食がお勧めだ。
四谷から東宮御所までは除草剤を使わないので道草の宝庫。春になればヨモギやツクシ、フキノトウとなんでも日だまりいっぱいに顔を出すという。
畑の雑草として嫌われているアカザは、優れた栄養のため江戸時代にはよく栽培されていた野菜。
あるとき、著者は調理に挑戦。若葉を摘んでもみ洗いし、茹でてゴマ油で和え、ナムルをつくる。果たして味はホウレンソウを100倍タフにした感じで、食べるごとに気力がみなぎった。
東京で季節の道草料理教室を開く著者が、道草で採取できる野草とその思い出、野草を使った料理をレシピ&写真と共に紹介する。 (晶文社 1500円+税)