「地球農学の構想 ミネラル畑にいのちはあふれ」川田薫、川田肇著
「岩石から抽出したミネラル」に着目した新しい農業科学への案内書。
農業が直面する危機の根底にあるのは、病んだ「土」。ゆえに土のもとである「岩石」に含まれた、「わたしたちの『いのちの素』である『ミネラル』が、農を救う」と著者は説く。研究者だった氏は、三陸海岸の岩場に根を張る松の巨木を見て、岩石に含まれるミネラルの抽出を思いつく。以来、四半世紀をかけて、天然の「農業用ミネラル」を開発し、田畑の再生に挑んできた。ミネラルは、農業機器の使い過ぎなどで畑の地下数十センチにできた「耕盤」とよばれる硬い層を消すなど、さまざまな効果を発揮。その開発の歴史から、土壌や作物にもたらす効果などを解説する。(野草社 1600円+税)