「横田空域」吉田敏浩著
「横田空域」とは、東京を中心に1都9県の列島中央部の上空、高度約2450メートルから7000メートルまで6段階に設定された巨大な「空の壁」だ。米軍横田基地が航空管制を握っているため、民間機は米軍の許可がなければ空域内を通過できないのだ。
この横田空域には、国内法上の法的根拠は何もなく、日米地位協定にも明文の規定はない。ただ、地位協定の運用に関する在日米軍高官と日本の官僚による協議機関「日米合同委員会」の合意に基づくだけだという。
密室での合意は、国会の承認を必要とせず、合意文書や議事録も公開されていない。
米軍が日本の制空権を支配・利用している知られざる現実を通し、憲法体系さえないがしろにする日米合同委員会の実態を明らかにする。
(KADOKAWA 840円+税)