「アメリカ本土を爆撃した男」倉田耕一著
太平洋戦争中、アメリカへの爆撃を史上初めて成功させた海軍パイロット・藤田信雄氏の評伝。
昭和17年4月、米軍が日本本土を爆撃。翌日、高松宮殿下も臨席した会議で、米本土空襲が話し合われる。しかし、航空母艦の使用は難しく、潜水艦からのカタパルト射出飛行による攻撃しか方法はない。前代未聞のこの作戦を唯一、敢行できる操縦術を持っていたのが藤田氏だった。8月15日、藤田氏を乗せた帝国海軍潜水艦伊号25は、アメリカに向けて横須賀港を出港する。その爆撃作戦の詳細から、20年後に始まった爆撃地オレゴン州ブルッキングス市との交流、そして事業に失敗して無一文から出直した晩年まで。歴史に埋もれた軍人の波乱の人生を描き出す。
(毎日ワンズ 900円+税)