「カビはすごい!」浜田信夫著
善きにつけあしきにつけ、現代人の暮らしに深く結びついている「カビ」の知られざる世界と、つきあい方を教えてくれる科学エッセー。
カビは、キノコや酵母とともに菌類の仲間で世界に4万種余り見つかっている。その多くは、樹木や落葉などを分解して生きているが、私たちの身の回りに生えるカビは野外のカビとは異なるという。醤油や酒を造るのに使うコウジカビも自然界ではめったに見られないそうだ。カビの胞子は地球上のあらゆるところに漂い、条件さえ整えばどこでも生えてくる。そして成長して広がるとともに多くの化学物質を体外に分泌する。
そんなカビの基礎知識から、食品をはじめ洗濯機やエアコン、そして住宅のカビ被害の現実や対策を解説。 (朝日新聞出版 740円+税)