「誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ」斎藤泰弘著

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 レオナルド・ダ・ヴィンチは、「万能の天才」と称賛されるが、婚外子として生まれた出自や当時の強固な社会通念との闘い、そして数多くの失敗など、その人間としての実像はあまり語られてこなかった。本書は、彼が残した「手稿」を読み解き、その思想と素顔に迫るノンフィクション。

 1500年、絵を描くことに消極的だったレオナルドは、自分が古代の哲学者で最高の科学者アルキメデスの再来と自負していたという。その自負を支えるのは世にもまれな忍耐力と勤勉さだった。他にも「君主論」で知られるマキャベリとの意外な共通点、ミケランジェロとの絵筆対決、飛行機械の失敗、そしてほぼ同じ「岩窟の聖母」を2点描いた謎など。壮年期以降に焦点を当て、天才の真実を明かす。

(NHK出版 1100円+税)

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