「なぜか笑顔になれる認知症介護」奥野修司著
家族に大きな負担を強いる認知症の介護だが、著者は「私たちは認知症のことをよく知らずに介護して、余計な苦労を背負っているのかもしれない」と指摘する。その理由のひとつは、介護すると家族と当事者の思いが食い違っていることにある。同じアルツハイマー型認知症でも患者によって症状が異なり、マニュアルにのっとった介護は役に立たないのだ。そして、もうひとつは行政のサポートシステムが周知されていないため、介護負担や経済的負担が重くなっているケースだという。
「徘徊(はいかい)」や「物盗(と)られ妄想」などの問題行動がなぜ起こるのか、申請時期によって金額に雲泥の差が出る障害年金など。
当事者たちの声に耳を澄ませながら、認知症への備え方、介護の仕方を紹介する健康テキスト。
(講談社 1000円+税)