人生100年時代の最新脳トレ本特集
「脳トレ思い出しクイズ」篠原菊紀監修
人生の終わり方として、多くの人が「ピンピンコロリ」を願うが、現実では認知症の人が増加の一途。そこで今週は体の健康はもちろん、脳の老化にも何らかのトレーニングを始めたいという人に、おススメの脳トレ本5冊を紹介する。音読やドリルなど、自分にピッタリのトレーニング法が見つかるはずだ。
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クイズ形式で「想起力」を鍛える脳トレドリル。
想起力とは、記憶や知識を引き出す脳の働きで、この力が衰えると、少し前のことが思い出しにくくなり、「鍋を火にかけたまま忘れてしまった」などと困った事態が起きてしまう。
どんな内容かというと、「教科書に出てきた著名人」のクイズでは、ずらりと偉人たちの写真が並び、挙げられたリストの中からその名前を答えていく。選択問題なので簡単かと思えば意外と苦戦する。見覚えがある顔なのだが、なかなか名前と一致しないのだ。
こうした「文化・教養」から、「平成の出来事」や「ことわざ・熟語」「昭和の出来事」、そして「社会・歴史」まで76問。脳トレは成績の良し悪しは関係なく、やった分だけ機能強化につながるというから、毎日のチャレンジが大切だ。
(ナツメ社 980円+税)
「50歳からの1分音読でボケない脳になる」古賀良彦監修 柏野和佳子ほか著
脳を活性するトレーニングの中でも効果が高いといわれている「音読」のテキスト。音読には脳の司令塔ともいうべき前頭葉を刺激する働きがあるという。その音読に適した文学作品56編を収録。
各作品から、日本語の持つリズム、テンポ、美しさが味わえ、1分間で音読できる最適の場面を抜粋。テキストを開いたら、まず作品を深く味わい、音読の効果を高めるために気を付けるべきポイントに目を通す。
例えば新美南吉の「子どものすきな神さま」では、「神さまがいるのかも、という想像をし、どきどきわくわくしながら」読むのがポイント。
他にも古典・名作から、国語辞典の「序文」までバラエティー豊かな作品の音読で、脳を活性化するとともに言葉力も磨く。
(PHP研究所 1300円+税)
「謎解きドリル70問」篠原菊紀監修 SCRAP問題制作
日常生活を円滑に営むために欠かせない能力「ワーキングメモリー(作業記憶)」を鍛える謎解きドリル集。
例えば、初級編では「口」「穴」「加」「仏」の4つの漢字のそれぞれの下に「23」「123」「12」「12」の数字が添えられ、片仮名4文字を導き出して答えよ、などの設問が並ぶ。
パッと見ただけではすぐにお手上げだが、隣のページに考え方のヒントや手順がついているので安心。その通りに進めば自然と答えにたどり着く。
この問題では、情報を多角的に捉え、解答までの道筋を組み立てる分析力が養えるのだとか。
他にも「ひらめき力」や「推理力」など、脳の各部位が関係する5つの「脳力」をバランスよく鍛えられるよう、バリエーション豊かな問題が用意されている。
(SCRAP出版 1000円+税)
「ノートを書くだけで脳がみるみる蘇る」長谷川嘉哉著
手で文字を書くことを毎日の習慣にする脳活ノート術のテキスト。
手で文字を書くという行為は、運動神経と連動しつつ脳のさまざまな機能を働かせるとともに、「自分の思考を言語化して脳が働く」「記憶力の維持・定着」にも効果的。
最初はトレーニングとして、読んだ本や見た映画の記録と感想、料理好きならメニューについてなど、何でもいいからA4用紙1枚にまとめる。
続いて、認知症治療の回想療法と同じ効果があるという「日記」や、「思い出せなかった(度忘れしてしまった)単語や事柄、名前」を記録する「思い出せなかったノート」、とにかく何でもすぐにメモして記憶するための「どこでも持ち歩きノート」の書き方やその効果、書く習慣を定着させるコツなどを解説。
スマホやパソコンでは得られない、字を書くことの大切さを教えてくれる。
(宝島社 1300円+税)
「見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル」池田義博著
世界記憶力グランドマスターの称号を持つ著者が、子供の頃と同じような記憶力を取り戻すための方法を教えてくれるドリル集。
記憶するには物事を覚えようとする状態、いわば脳の「記憶スイッチ」をオンにすることが大切になる。情報を受け取った時、脳に何らかのインパクトがあると、その記憶スイッチがオンになる。
大人の脳にインパクトを与えるのは「ひらめき」だ。最初は気付いていなかったことを途中で発見した瞬間の「わかった!」「見つけた!」というひらめきの感覚が、脳にインパクトを与え、情報を記憶に焼き付けるのだ。
本書では、ランダムに配された片仮名や平仮名の中から魚の名前や野菜の名前を見つけ出すなどのドリルで、記憶スイッチがオンになる「ひらめきセンサー」を磨く。
(サンマーク出版 1300円+税)