「病気の9割は免疫力で防げる」藤田紘一郎著
私たちの周りにはたくさんのウイルスや細菌が存在し、体は常に攻撃を受け続けている状態と言える。そんなとき“自分のものではない”と判断した敵を撃退し病気から身を守る役割を担うのが免疫力。体内の細胞が突然変異して発生する、がん細胞までも抑え込む力を秘めている。
免疫力を強化しておくことは、さまざまな病気を防ぐ近道だ。本書では、免疫力のメカニズムをはじめ、免疫力を高める食事術や生活習慣を分かりやすく解説している。
腸内環境が免疫力に影響を及ぼすことは知られてきたが、現代人の食生活には腸内の善玉菌を弱らせ悪玉菌を増殖させる原因になる要素が多い。例えば、トランス脂肪酸だ。マーガリンやショートニングなどに含まれる油脂で、加工食品やファストフード、スナック類などに多く使われる。摂取し過ぎると体内で細胞を錆びつかせる活性酸素の発生を促し、腸内細菌のバランスを崩す要因にもなりかねない。
一方、食物繊維と一緒に取ることで免疫力アップに役立つのが酢だ。腸内で食物繊維が分解発酵されるときに生じる短鎖脂肪酸という物質は、善玉菌を活性化し腸内環境を整えるのに役立つ。酢に含まれる酢酸は短鎖脂肪酸のひとつなので、体内の生成量を増やすことにつながるのだ。おすすめは、千切りキャベツを酢漬けにして食べること。食物繊維と酢が一度に取れて免疫力に有効だ。
他にも、10時間以上は食物を体に入れない時間をつくる、ウソでもいいから大笑いしてみる、1日1回38度ぐらいの湯につかって体温を上げるなど、今日からでもできる免疫力アップ法が満載。日々の積み重ねで免疫力を鍛え、病気に負けない体づくりをしておきたい。
(枻出版社 1200円+税)