「えげつない!寄生生物」成田聡子著
猫がもっている微生物、トキソプラズマは、猫の体内に戻らなければ繁殖できない。そこで中間宿主の鼠に猫を恐れなくなるよう行動操作してつかまりやすくし、猫の体内に戻るのだ。このトキソプラズマは、人間の行動も操作する。トキソプラズマに感染すると反応時間が遅くなるので、交通事故を起こしやすくなると考えられている。メンタル面での影響もあるらしい。シカゴ大学で「キレる人」と「普通の人」について調べたところ、「普通の人」のトキソプラズマ感染率は9%だったのに、「キレる人」は22%だった。
他に、ゴキブリに毒を注入してマヒさせ、卵を産み付けるエメラルドゴキブリバチなど、えげつない寄生生物を満載。
(新潮社 1300円+税)