「日本が食われる」松岡久蔵著
輸出禁止の和牛の精液が不正に持ち出され、中国入国時に見つかった。日本の検査はすり抜けていたことから検査体制の甘さが浮き彫りに。和牛の遺伝子を知的財産として保護する法律はなく、関係法令の適用で海外流出を防ぐしかない。
実は1990年代にアメリカ経由で和牛がオーストラリアに海外流出したことがあった。当時はアメリカに和牛の成体を輸出できたためだ。オーストラリアでは既に現地産の「WAGYU」ブランドが確立されている。このWAGYUは現在のサシのうまさを追求した和牛とはレベルが違うが、今回の中国への流出未遂事件で密輸が成功していたら、その損失ははかりしれない。
他にマグロなど日本の「食」の海外流出をリポート。
(彩図社 1300円+税)