「コロナ黙示録」海堂尊著
横浜に帰港した豪華クルーズ船ダイヤモンド・ダスト号に検疫官が乗り込み、PCR検査を行った。結果は有症者31人のうち10人が陽性。だが、3000人もの乗客全員を収容できる施設はない。官房長官は「船内隔離」を決める。10人の患者は医療機関に搬送されたが、患者はさらに増えている。神奈川県の健康危機管理課の竹田課長は、神奈川DMATに協力を依頼した。DMATは災害時の医療活動や病院の支援活動を行う団体だ。感染症は災害かといぶかったが、神奈川DMATは引き受ける。その頃、政策集団・梁山泊は内閣打倒をもくろんでいた。
コロナウイルスによる感染症パニックと政治の混乱を描いた問題作。
(宝島社 1600円+税)