「暴走する検察 歪んだ正義と日本の劣化」神保哲生、宮台真司ほか著
ロッキード事件に見るように、検察は総理大臣を逮捕できるという威信とプライドを保ってきた。ところが、黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題が起き、検察トップの人事権を内閣が掌握することで、検察が政権に隷属するしかないような体制になる可能性が生まれた。
検察と政権のせめぎ合いの結果、政権が敗北。現在、日本の検察には強大な権力が集中しすぎていることが問題視されている。検察は公訴権を独占しているため、有罪にできそうな事件だけを起訴することができることから、検察が事実上、裁判所の役割も果たしている。
ゴーンの海外逃亡問題で明らかになった「人質司法」など、検察問題を神保、宮台氏らが対談で追及する。
(光文社 1700円+税)