「処女の道程」酒井順子著

公開日: 更新日:

 かつては、若い女性は結婚するまでは処女でいるべきだ、という感覚があった。「処女」は国語辞典では「性的経験をまだ持たない」とあるが、漢和辞典では、セックス経験には触れず「結婚せず、まだ家にいる」のが処女だとある。「処」は「居る」という意味で、処女の本来の意味は「実家にいる女」だった。女性にとって「結婚すること」「実家を出ること」「初めて異性と性交渉を持つこと」は同義だったのだ。

 著者は29歳まで実家にいて、独身だったが、セックス経験という意味では処女ではなかった。それなのに実家にいるという処女っぽい行動をしていることへの違和感から実家を出たような気がする、という。

「処女」について酒井順子独特の視点からの考察。

(新潮社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末