「学校制服とは何か」小林哲夫著
コロナ禍の高校生たちは、オンライン授業で制服着用を求められたり、いつもは制服だが衛生面を考え分散登校時に私服登校を促されるなど、学校によって対応はまちまち。中には、学校が着用を指示していないのに、1年生全員が入学後初めてのオンライン授業で制服を着用したという高校もある。同校の校長は「制服は生徒を縛るものではない。生徒の心の中に入っていくもの」なのだと改めて認識したそうだ。
本書は、多視点から制服にアプローチし、そもそも制服とは何かを考察するリポート。その起源から振り返る制服史、現在のトレンド、各校のモデルチェンジの歴史などを紹介。一方で自由化した学校や、自由化から制服を復活させた学校の事例を検証し、制服のあり方についても問題提起する。
(朝日新聞出版 850円+税)