「値段がわかれば社会がわかる」徳田賢二著
世の中は「値段」が動くことで「経済のしくみ」が動き出す。キープレーヤーの「値段」に注目して、中高生向けに経済学の初歩を講義する入門書。
価格の異なる弁当が並んでいたら、どれを買うか。そうした身近な例を挙げながら、私たちの生活は値段を手掛かりに買うという行動から切り離すことができないこと、そして値段は品質のバロメーターであることを説く。
一方の店側はデータをもとに、各品目について、どのくらい値段を上げると買う数量が減り、下げると増えるかはっきりと予測ができるという。
こうした値段の意義や役割を解説した上で、生産者と値段の関係に始まり、市場価格、小売店の戦略、そして消費者の購買行動と値段の関係まで。日々の暮らしに即して経済のメカニズムを学ぶ。
(筑摩書房 902円)