「ジェノサイド国家中国の真実」于田ケリム、楊海英著
中国政府が「新疆ウイグル自治区」で進める非人道的な弾圧の実態を伝える告発の書。
2017年以降、ウイグルでは1000カ所を超える「強制収容所」が設けられ、100万人(一説には300万人とも)のウイグル人を収容。正当な理由もないまま強制収容されたウイグル人は、外部との接触を絶たれ、ウイグル人としての文化や伝統を放棄することを強制され、ウイグル語による日常会話まで禁じられている。さらに中国共産党と習近平への忠誠を強制する洗脳教育が行われている。
また、女性には不妊処置がなされウイグル人の出生数は激減。2年間で出生率が半減したという。ウイグル人が強制労働させられている工場は日本企業とも関わりが指摘されており、決して他人事ではない。
(文藝春秋 902円)