「悲しみのイレーヌ」 ピエール・ルメートル著 橘明美訳
しかし、有力な手がかりのないまま行き詰まっているところに第2の事件が発生する。そこでカミーユは2つの事件のある共通点を発見するのだが、それはなんとも異常なものだった……。
【読みどころ】「アレックス」同様、一度読むだけではこの複雑な仕掛けを捉えることはできない。再読、三読することで、作者の張り巡らせた伏線がようやく見えてくる迷路のようなミステリーだが、警察小説としても一級品。 <石>
(文藝春秋946円)