「草木とともに」牧野富太郎著

公開日: 更新日:

 著者は小学校中退ながら、独学で植物学を極め、数多くの新種の発見や膨大な標本を残した近代植物分類学の権威。植物に捧げたその人生を生前の作品でたどる随筆集。

 文久2(1862)年、現在の高知県に生まれた氏は、幼くして両親を亡くし、祖父母に育てられる。

 少年時代のある日、氏は山で落ち葉の間から頭を出す大きな白い玉を見つける。祖母はその存在を知らなかったが、下女によると「キツネノヘダマ(狐の屁玉)」と呼ばれるキノコらしい。この下女は草やキノコの名をよく知っており、たびたびへこまされたという。

 その後の寺子屋時代に始まり、植物学の基本を教わった師友、上京して東大の植物学教室に出入りを許可された頃の思い出などとともに、植物に関する豆知識も網羅。

(KADOKAWA 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット