「戦国ラン」黒澤はゆま著
戦国の武将たちが合戦の折に駆けた道を実際に体感する異色の歴史読み物。
まずは大坂夏の陣「天王寺・岡山の戦い」で、真田信繁(幸村)が徳川家康本陣に突撃したルートを走る。双方の家臣が残した書状や記録、古地形図などの史料を読み込み、独自にルートを推理。信繁が家康本陣を襲撃した地点を天王寺の南、庚申街道と奈良街道が交差する地点と特定する。茶臼山を出発、信繁が家康をどこまで猛追したかはわからず、現在のJR寺田町駅で折り返し、その終焉の地とされる地点の近くにある生国魂神社を目指して走る。
また、明智光秀が本能寺に向かったルートや、石山合戦で信長が光秀を救援するため移動した若江城から天王寺砦に至るルートなど、史料をひもときながらルートを特定し、5つの合戦を「走る」。
(集英社インターナショナル 968円)