「世界を変えた『ヤバい税金』」大村大次郎著
格差の広がりも、産業の発展・衰退も、税金のかけ方次第で、国のあり方は大きく変わる。しかし、元国税調査官の著者によると、税制が国家の将来のために機能しているとは限らないという。税金が国民のためにしっかり使われてきた国は、非常にまれだそうだ。
本書は、税にまつわるエピソードを紹介しながら、国家や社会の仕組みを解説する歴史テキスト。
16世紀、イギリス発展の原動力となった「海賊税」(海賊船に略奪品の一部を国庫に納める義務を課した)や、財源の8割を占めていたモンゴル帝国の「塩税」など、歴史を動かした税金から、中世ヨーロッパに存在した「初夜税」やインドの「乳房税」などの悪税、明治時代の「うさぎ税」など日本の税金まで。70のエピソードを紹介。
(イースト・プレス 924円)