「嫌われ者の矜持」新堂冬樹著
編集者、立浪慎吾は文芸部にいたが、志願して写真週刊誌「スラッシュ」に異動した。以前はスキャンダルを追う仕事を忌み嫌っていたのだが。5年前、同じ仕事をしていた父が死んだことがきっかけになった。
自殺の名所で遺体が発見され、遺書に、スキャンダルを暴き、迷惑をかけた人たちに死をもって償いたいと書かれていた。そのため自殺だと思われたが、立浪は父が自分の仕事に罪の意識を感じていたとは思えなかった。
父は芸能界のドン、大河内のスキャンダルを暴いた後、死体で発見されたのだ。立浪は黒幕を探り出して「立浪正蔵殺人事件」を記事にしようと動き出す。
スクープを武器に、芸能界のドンに立ち向かう男の物語。 (光文社 1870円)